メインテーマ
基本理念
平成3年の救急救命士制度の発足以降、我が国のプレホスピタル・ケアの充実と救命率の向上を図るため、メディカルコントロール体制の確立とこれに伴う医師の包括的指示下での除細動の実施や救急救命処置拡大、消防機関の救急教育体制の整備や市民への心肺蘇生法やAEDの普及など、長い年月をかけ、関係者の不断の努力により着実に成果を上げてきました。
このような中、社会を取り巻く環境は、超高齢社会の急速な進展、新型コロナウイルス感染症の流行やICT等の情報通信技術の発展など大きく変化し続けており、救急業務や救急医療の分野においても、解決すべき新たな課題が顕在化してきています。
こうした状況に対処すべく、本シンポジウムでは、先達から託されてきた救急現場などでの知恵や経験を確実に後進へと『つなぐ』とともに、日々の歩みの中からエビデンスを抽出し、明確な形で未来へ『つなぐ』ことを目指します。
また、新型コロナウイルス感染症によって離れかけた人と人との絆にも思いをはせ、日頃寝食を共にする消防本部の仲間のみではなく、全国の消防本部、医療機関の医師・看護師、更には高齢者施設や在宅療養者に関わる医療・介護職の仲間など、より広い職種の人々をつなぎ、それぞれが持つ救命への思いを共有することで、大きな『救命のつながり』を創り、知見と絆をより深めていくことを目指します。
人生100年時代を支える、消防・医療・福祉などに携わる私たちが、人類史上初の原子爆弾による被爆の惨禍から力強く立ち上がり復興を遂げた“国際平和文化都市ヒロシマ”の地に集い、“広島”の地で熱く討議し、“ひろしま”の地から全国に向け、救命への思いをつなぐ力強いメッセージをお届けします。
【広島の標記について】
「ヒロシマ」:被爆都市として世界恒久平和の実現を目指す都市であることを示す時に使用
「広 島」:広島と命名されたことを強調する際に使用
「ひろしま」:豊かな文化を持つ都市であることを示す時に使用